レディネスを活用すると、より効果的な学習が実現できます。今回から2回にわたって、レディネスがもたらす効果についてお話ししていきます。第1回目は指導者向けの内容となります。
レディネスについて
まず初めにレディネスとは何かについてご説明します。
わかりやすく言いますと、「知りたい!」と思ったときに勉強すると、きちんと覚えられますし、よく理解できるということです。
日常生活でも同様のことが言えます。自分にとって必要ないことや興味のないことは、いくら聞いても覚えられません。しかし「これはどういうことだろう?」と興味を持ち、知りたい!と思ったときに得た知識は忘れにくくなりますし、よく理解できると思います。
大切なのは、「知りたい!」と思ったときのタイミングです。このタイミングで学ぶことがもっとも学習効果が高いということです。
先生が指導するときのポイント
大事になってくるのは先生の指導法です。
ポイントは、いかに子どもたちをレディネス状態にさせていくかです。
「勉強したくない」、「覚えるのは面倒」など、後ろ向きな気持ちのまま勉強していても、効果は余り見られないでしょう。
子どもたちをその気にさせることができるかにかかっています。
先生がレディネスについて理解していること
先生自身がレディネスについて、きちんと理解できているか。これは指導の大前提となります。
教育について学ぶと必ず出てくる用語なのですが、塾の先生は必ずしも教育について深く学んでいません。
(実は塾の先生というのは、どちらかというと元営業マンとか販売員とか、まったく畑違いの業種の出身である方が多いです)
ぜひ子どもたちを教えるという仕事に就いたのなら、ぜひレディネスについて調べてみていただきたいです。
一方的な指導を避ける
問題の解き方や、単元の内容を、先生が一方的に説明する指導だと、子どもたちのレディネスは形成されにくくなってしまいます。
子どもたちの「知りたい!」という気持ちを奪ってしまっているからです。
答えをすぐに言わず、考えさせることが大切です。考えさせる中で「この問題はどう解くのだろう、知りたい!」という気持ちを引き出すことができます。
過程を褒める
結果だけを見るのではなく、学習過程をしっかり見てあげましょう。
子どもたちが正解に向かってどのような取り組みをしているのか、よくチェックしていくことです。
例えば数学の2次方程式の解き方が分からず、教科書や参考書を見て調べていたら、その行為を褒めてあげることです。
どうしても分からない問題に関して、質問してきたら、その行動を褒めましょう。
分からない問題を放置せず、よく先生に聞いてくれたことと褒めてあげるのです。
褒められた子どもたちは、次も自分で調べよう、分からない問題について理解しようと前向きな気持ちが芽生えます。
その気持ちがレディネスをより引き起こすことにつながります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
学習効果を高めるために、レディネスの形成はとても大切なものといえます。
重要なのは、いかにレディネス状態に持っていけるか。
指導者側の働きかけによって、いくらでもレディネス状態を形成できます。
私もそうですが、先生は「指導の工夫」を常に考えなければなりません。