進路・職業決定に向けて何をすべきか?

進路

進路を決めていくにあたってどうアプローチしていくか。いろいろな方法があります。今回は具体的な方法について紹介していきたいと思います。

将来の夢、なりたい職業は何ですか…と突然聞かれても、すぐに答えられる生徒さんは多くないと思います。どちらかと言えば「全く分からない」という答えの方が経験上多いです。

確かに急いで決めるのはよくありませんが、何もせずに見つかるわけではありません。具体的にどうしていくのか、少しずつでも良いので行動に起こしましょう!

自己分析

①好きなことを自由に書いてみよう!

自分とはどんな人間なのか?

考えたこともないという人が多いかもしれません。自己分析を重ねることで、自分という人間について改めて知ることができるかと思います。

自己分析するにあたって行って欲しいことは、とにかく自分について思うところをありのままに書くことです。ノートを用意してもらい、思いついたことをきちんと書き残すと良いです。

まずは好きなことや得意なことを自由にどんどん書いていきましょう。スポーツや映画、ゲームなど大きなカテゴリーをあげると同時に、スポーツであれば野球やサッカー、映画であれば恋愛ものやアクションもの、タイトルなど、細かく具体的に書いていくことがポイントです。

逆に嫌いなことや不得意なことも書いてみましょう。嫌いなことや不得意なことをあげることで、新たに好きなジャンルが分かるかもしれません。

今特に関心のあること、お金を使っていること、休みの時に時間をかけていることなども書いてみましょう。時間をかけたりお金をかけたりすることは、自分にとって楽しいこと、大切に思っていることです。

誰かに見られているわけではありませんので、こんなことは恥ずかしいかななんて考えずに取り組んでみましょう。「こんなことが進路決定につながるのかな」と考える必要はありません。あくまで自己分析。ある程度書けたら、その書き記したものを見返してみましょう。好きなことや興味のあることの傾向がつかめると思います。

②自分の経験を振り返ろう!

過去の経験を振り返ることもヒントにつながります。

習い事、友達と公園でこんな遊びをよくしていた、中学校の時の部活動、家族と行った旅行、特に好きだった授業など。幼少期から考えていくとノート1ページでは到底書ききれないほどの量になるはずです。

親や兄弟、先生や友達など、他の人から言われたことも思い出してみましょう。また他の人に聞いてみてもいいかもしれません。自分では忘れてしまっている経験が思い起こされる可能性があります。

経験を書き出したら、そのときの自分の気持ちを思いだしてみましょう。これは楽しかったけど、これはあまり好きではなかったななど。時間を忘れて夢中になれたことは特に注目しましょう。自己分析において大きな要素となるはずです。

「自分なんてこれまでたいしたことやってないよ」と思っている人でも、あげていけばキリがないほど出てきます。書き出してみると案外楽しく感じられるかもしれません。

③優先順位を決めよう!

好きなこと、自分の経験があげられたら、優先順位を考えていきましょう。部活動の野球は楽しかったけど、テレビで見る方が楽しかった、でも一番楽しいと思えたのは好きなチームのグッズを集めることだったかななど。

ここで大事になってくることは、先ほどの細かく具体的な内容であることです。例えば「スポーツが好きだからスポーツ選手になりたい」というような考え方はあまりにも短絡的です。スポーツを見ることの方が好きであれば「スポーツ番組の制作関係の仕事」、スポーツを人に教えるのが好きなのあれば「スポーツインストラクター」、グッズを集めるのが好きならば「グッズ製作関係」「グッズの販売・営業関係」など、職業選択の幅がかなり広がってきます。

あとは好きなことの優先順位を決めることができれば、自分の本当にやりたいことが見えてきます。ただここでは1つに絞らず、複数の候補をつくっておきましょう。職業調べや体験などをして、自分には合わないとなってしまうと、また1から考えていかなければならなくなってしまうからです。情報系、スポーツ系、医療系など、ジャンルもいくつか候補をしてあげておくと良いと思います。

アルバイトからヒントを得る

「百聞は一見にしかず」。実体験から様々なヒントを得ることができます。職業体験やボランティア活動、企業訪問など、実体験できる機会はたくさんあります。

私がオススメしたいのはズバリ「アルバイト」です。もちろん学業に支障のない限りであることが条件ですが。

アルバイトは報酬をもらうことができます。「仕事をする=報酬を得る」という経験は、他の実体験の中で最もリアリティを感じることのできるものです。そこから得られる体験は大きな学びの機会となるでしょう。

例えばファーストフード店のアルバイトをしたとします。自分のやりたいことと異なっていても、たくさんのヒントが転がっています。接客を通じて人とのコミュニケーションが好きなことに気づくかもしれません。ハンバーガーやポテトを作る中で、ものづくりが好き・料理が好きなことに気づくかもしれません。お店のその日の利益や目標数値などを目にする中で、経営関係に興味を抱くかもしれません。

私の場合、大学時代に学習塾のアルバイトをしておりました。子どもたちに良い授業をしようと、自分なりに一生懸命に教材研究をし、それが楽しくて仕方ありませんでした。大学の授業よりものめり込んでいたように思います(悪い例かもです)。授業も楽しかったですが、子どもたちとのコミュニケーションが楽しく、「自分は子どもたちとの関わりが楽しくて仕方ない」ということに気づきました。アルバイトの経験がなければ、この仕事には就いていなかったことでしょう。

どの業種にも様々なヒントが隠されています。それは人それぞれによって違うものです。アルバイトをしてただお小遣いを稼ぐだけでなく、いろいろな学びをするという意識で実践すると、今後につながってくるかと思います。

職業を調べよう!

進路選択において職業調べは最も重要なことです。本や雑誌・インターネット、調べる手段はたくさんあります。

自己分析を行い、やりたいことの優先順位もある程度決まり、実体験からたくさんのヒントを得ていれば、なりたい職業はかなり見えてくるものと思います。

もしまだ迷いがあれば、「性格診断テスト」を行ってみるのも1つの手です。客観的な視点で自分を見つめ直すきっかけとなり、気づいていなかった意外な側面を発見できるかもしれません。インターネットで調べれば、無料でできるテストもかなり多いです。職業探しの参考にしてみましょう。

資格から探すというのも1つです。興味のある資格を選び、勉強してみると新たな発見につながるかもしれません。また資格を所有していれば、就職後も有利になる企業も多いです。資格の書籍などもありますので、調べてみてはいかがでしょうか。

すでになりたい職業は決まっているが、試験がある・所有していなければならない資格がある、などあれば早めに勉強していきましょう。「えっ、この仕事に就くにはこんな資格が必要だったの?」と後になって気づいても時すでに遅し、という場合が意外とあります。なりたい職業については細かなところも入念に調べておきましょう。

まとめ

現在、「全22分野・1000以上の職業」があると言われています。何も決めていないところから探すのは非常に困難です。まずはしっかり自己分析を行い、自分は将来何をしたいのかを探しにいきましょう。調べることも必要ですが、実体験も大切です。体験から学べる機会があれば、どんどん挑戦していって欲しいです。

職業について調べることは、早ければ早いほど有効です。大学の学部選択で迷っても、なりたい職業がある程度決まっていれば、選択すべき学部はかなり絞られます。

例えば医者になりたいのであれば、大学は医学部に決定、高校は医学部進学者が多いトップレベルの学校に行く、など逆算的に進路は決まってきます。早く決めることがいかに大切なのかが分かるかと思います。

そうは言ってもこれは理想であり、なかなかきまらないのが実情です。大切なみなさんの将来です。よく考えましょう。ただ将来を考え始めることは、すぐにでもできるはずです。少しずつでも行動していくことが、よりよい進路選択につながります。今回の内容が少しでもみなさんのお役に立てれば幸いです。

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