最近の就職状況について

進路

今回は最近の就職状況についてお話ししたいと思います。職業についての知識を様々な視点から見ていくことが大事なポイントです。

 

若者の雇用状況について

ここで若者の労働者を「若年労働者」という言葉で表していきます。

若年労働者=15歳~34歳

と定義しています。

今の雇用状況についてですが、全労働者に対する若年労働者の割合は27.3%。そのうち正社員は17.2%、正社員以外は10.2%となっています。つまり若年労働者の約6割が正社員、約4割が正社員以外で働いていることになっています。正社員以外の割合がかなり多いことが分かります。

若年労働者の正社員割合が高い産業は、「生活関連サービス業・娯楽業」、「金融業・保険業」となっています。正社員以外の割合が高いのは、「宿泊業・飲食サービス業」、「生活関連サービス業・娯楽業」となっています。

※「生活関連サービス業、・楽業」:クリーニング業、理容業、美容業、スーパー銭湯、エステティック業、リラクゼーション業、ネイルサービス業、旅行業、家事サービス業、冠婚葬祭業、映画館・劇場、スポーツ施設など。

※「金融業・保険業」:銀行業、協同組織金融業、貸金業、クレジットカード業等非預金信用機関、金融商品取引業、保険業など。

※「宿泊業・飲食サービス業」:宿泊業、飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業など。

 

新規学卒就職者の学歴構成の変化

文部科学省「平成30年度 学校基本調査」によると、高等学校(全日制・定時制)卒業後の就職者数は18万6234人(高校卒業者全体の17.6%)、大学卒業後の就職者は43万6156人(大学卒業者全体の77.1%)となっています。

つまり新規学卒就職者の主力は大学卒業者となっていることがわかります。

今後の予想として、「大学全入時代」に入っていることを考えると、さらに大卒就職者の割合は高まっていくと考えられます。

 

新規学卒者の離職状況

厚生労働省「新規学卒者の離職状況」(平成30年10月発表)によると、平成27年3月新規学卒者の卒業後3年以内の離職率は、高校39.8%短大等41.5%大学31.8%となっています。

ちなみにより詳しく見てみると、事業所規模別卒業後3年以内離職率は、規模が少ないほど離職率は高くなっています。

例えば高卒の場合、1000人以上の事業所の離職率は25.3%ですが、5人未満の事業所ですと64.3%まで跳ね上がります。

産業別に見ますと、「宿泊業・飲食サービス業・娯楽業」の離職率が最も高く、「生活関連サービス業、娯楽業」、「教育・学習支援業」と続いています。

※「教育・学習支援業」:小中高大学など学校教育、学習塾や予備校、習い事教室など。

さらに1年以内の離職率を見ると、高校18.2%短大卒18.1%大卒11.9%となっています。

 

離職率から考える進路

さて今回一番お話したかったことは、この離職率にあります。

大卒者でも3年以内の離職率は30%越え、1年未満でもおよそ12%。これはかなり高い数値であると思います。決して離職することが悪いとは言いませんが、十分な進路選択、就職活動をへて仕事を選んでいるのかというところが見逃せないポイントではないでしょうか。本当になりたい職業を選択できていないという状況があるような気がしてなりません。

かくいう私も、これまで職を転々としてきた中で、3年以内に離職した会社もありますし、ましてや1年未満で離職した会社もあります。共通して言えることは、十分な就職活動をしてこなかったということです。「とりあえず早く仕事に就きたい」という気持ちから、内定をもらった会社にあっさり就職、こんな経験がいくつかありました。

学習塾は勉強を教えるだけ、こんな時代は終わっていると思っています。これからの社会を担う子どもたちの進路にとって有益な情報を伝えていく、十分な進路指導を行っていくことが大切なのではないかと考えています。

心からなりたいと思える職業が見つかれば、そう簡単に離職することはないと思います。そのためにも業界の現状についての最新情報は敏感にキャッチしていくことは、指導者として当然のあり方ではないかと考えています。

その上で、子どもたちに進路指導を行い、進路について自発的に考えられるような姿勢を身につけさせていくことが大切です。

 

まとめ

子どもたちと関わっている中で、「将来のことなんて何にも考えてない!」という声をたくさん聞きます。なりたい職業というのは待っていても見つかりません。自分でいろいろ調べたり、誰からに質問したり、自ら情報をつかみにいきましょう。その姿勢を確立させるためにも、指導者の役割は大きいと言えるでしょう。

次回は進路についてどうアプローチしていけば良いのかについてお話しできればと思っています。よろしくお願いします。

 

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